キューバン・サルサDJのお気に入りCD紹介 シンゴ&ヒメのCuban Salsa

お気に入りCubanSalsa紹介

Cuban SalsaDJのお気に入りアルバムを紹介。

04年12月 "Cantandole A La Vida"

artist: Pachito Alonso y sus kini-kini

0412_cantandole.jpg(BIS Music/CD 294)このコーナーでは久しぶりの新譜。
…って言っても発売後数ヶ月経ちますが、ま、今年発売、ってことで。
最近はこればっかり聞いています。

日本ではキューバ音楽の結構マニアな人しか知らないかもしれないんだけど、本国では、もうかなり前から活動している、結構な老舗有名バンド。
確かにLos Van VanとかCharangaとかに比べると、「B級感」漂うのは否めないのだけど、
それでも、世界的に活躍するミュージシャンを、数多く輩出しているバンド。古くはBamboleoのリーダーLazaro Valdesや、現Van VanのボーカルRoberton、すっかりソロアーティストになったTirso Duarteなど、みんなここの卒業生です。キューバ音楽界の中では、地味なりに、重要な位置を占めて来たのではないでしょうか?

「ないでしょうか?」なんて書いちゃうのも、僕自身も、あまりよく知らないんですよ実は…。
バンド名と曲自体は、もうかなり前から知っていて、過去のアルバムもほとんど持っているのだけど、
今まではどうも個人的なツボに「ぐっ」と来ることって無かったんです。まわりのキューバ通の間では、「好き」って言う人も何人もいたんだけど、何度聞いても、何というかその「トロピカルな感じ」ってのが、どうも受け付けなかった。自分で積極的に聞こう、かけよう、ってのは無かったんです。今までの彼らってどうも、「南国で~す♪」みたいな軽いノリが感じられて、僕にはどうもいただけなかった。

が、このアルバムで「開眼」致しましたワタシ。

はっきりと、イイです、これ。
一曲目のイントロ、10秒聞いただけで好きになりました。
ひとことで僕なりにその魅力を言えば、「Timbaを次のステージに発展させよう」って方向が、バッチリ。
Salsa・Son系だけに限って言えば、最近発表されるキューバ発の作品って、伝統的なキューバ音楽をつきつめて行く、っていう「王道路線」と、新しい要素を取り入れて今までに無い音を作ろう、っていう「発展路線」とに、二分できるように思うんです。
で、後者の系統の作品に関して言えば、ここのところずっと、例えばレゲトンとか、ラテンポップとか、
そういう「海外の方程式を引っ張ってくる」って傾向があまりに強い。
純粋な「キューバ的な美学」を発展させ、しかも音楽的に優れているものって、少なかった気がします。
今年春にキューバに行った時も、見た限り、以前に無かった新しいものって、みんなレゲトンとかヒップホップとか、そういう「海外のマネ」の方向ばかり。サルサの枠の中で斬新、ハイクォリティーなものを提示しているのって、やっぱり結局Van VanとかBamboleoなど、既にかなり前からよく聞く名前ばかりだったように思いました。

そんな中、このアルバムは、R&Bやラテンポップなど海外の要素を取り入れながらも、キューバの方程式の中でうまくブレンドしている、というか。両者の間を行ったり来たりするフットワークと、バランスが見事!
リーダーのパチートさんの二人の若い息子が、フロントをとるだけでなく、曲作りにも積極的に参加しているのも大きいのでしょう。オペラ的に歌い上げるような「ソネーロ」としては、ちっとも上手くないし、賛否両論ですけど、僕は好きですねぇ。
キューバ的なFunkyさに一番反応する体質なので、これは単純に、体が動きます!

「鑑賞する」のではなく、「踊れるアルバム」で新しいものを探している方には、かなりオススメの一枚です。

milk_btn_prev.png

milk_btn_next.png