キューバン・サルサDJのお気に入りCD紹介 シンゴ&ヒメのCuban Salsa

お気に入りCubanSalsa紹介

Cuban SalsaDJのお気に入りアルバムを紹介。

04年10月 "Fruta Bomba" 

artist: Jovenes Clasicos del Son

0410_frutabomba.jpg(TUMI 084)直訳すれば、
「果物爆弾」by「ソンの古典的若者達」。

僕がこの人達を初めて知ったのは、
このコーナー3月('04年)に取り上げたコンピ版“Cubamania"の中の一曲。
「サルサ」→「キューバンサルサ」→「Timba」
って順番で親しんで来た当時の耳では、
Sonって最初、何か時代に逆行する、地味で古くさい音楽に聞こえてしまい、
長いことそれほど興味も持たなかったんです。
彼らの名前も地味だしね。“Clasicos”ってくらいですから。

その印象が変わってきたのは、恥ずかしながらつい最近になってから。
この4月('04年)にキューバに行ったのも大きいのですが、
その直前、知人からこのアルバムを借りて、
「おっ?」と思ったのが、最初のきっかけ。

10人以上の大編成+電気楽器サウンドも多い
最近のサルサばかりに漬かっていた耳で、こういうのを聞くと、
まずはその「アコースティック感」が耳につく。
(ま、歴史としてはこちらの方が古いんだけど。)
今まではそれがなんとなく
「民族音楽」チックというか、「古いキューバ」的印象だったんです。
キューバの街角で、その空気の中で聴いて初めて楽しめる、というか。
それが、繰り返してなんとなく流しているうち、
いつの間にか、自宅でも結構自然に楽しめている自分に気づいた。

このアルバム、確かに「古典的若者」を自称するだけあって、
まずは伝統的なSonの世界をきちんと踏襲している。
歌、ボンゴ、コンガ、ベース、ギター、トレス、トランペット、
というよくあるスタンダードな編成、
ボーカルのNene(ソロ・アルバムも出してます)の歌いあげっぷりとかね。
有名な曲のカバーもやってるし。
Arte Mixtoみたいに、一聴してわかるPopな感じでもない。

「斬新な」という表現は、彼らには強すぎるかもしれないが、
しかし良くよく聴いてみると、
やはり古典的な他の多くのグループとは一線を画す何か、
が、ある気がする。

熟練サウンドを売りにするおじいちゃんグループも多い音楽なのに、
彼らの音は「枯れてない」んだよね。
「ロックも聴いて育った世代の疾走感」とでも言おうか。
“若者”をグループ名に含めるのも、そういうことか!とわかる。
メンバーひとりひとりが、
ミュージシャンとしてもしっかりしていて、演奏がとてもタイトだ、
というのも、あるだろうけど、
まとめた全体の印象として、
とにかく“若さ”がみなぎっている感じ。
アコースティック楽器の、伝統的編成だから、
聞こえてくる音色自体は、とても耳慣れたもののはずなのに、
それでも例えば
ところどころに見られるBombaパートなども相まって、
「俺たちの世代のSonを作るんだ!」って意気込みが、
うっすらと聞こえてくる。

聴けば聴くほど、
編成やジャンルの呼ばれ方こそ違え、
彼らの感覚、テンション自体は、
きっと今の新しめのサルサをやっている人達のそれと、
全く同じモノなのでしょう。
キューバ人の中では
SonとSalsaの垣根って、驚くほど低い。
毎度引き合いに出す、
チャランガ・アバネラのダビさんをもってしても、
「僕たちはソン・モントゥーノを演奏するバンドなんだ」
と言っているくらいですし。

今回滞在したHabanaももちろんですが、
僕はまだ訪れたことはないSon全盛の街、Santiagoには、
こういう「新しいSon」のグループが、
有名無名を問わず、ごろごろいるそうです。

いきなり本場に行って聴いてくることはできなくても、
近頃は日本でもテーマパーク系などで、
来日したSonのグループが、
ちょこちょこ見られることが多くなってきていますし、
サルサとはまたちょっと違った世界にも触れてみるきっかけになって欲しい
そんな一枚です。

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