お気に入りCubanSalsa紹介
Cuban SalsaDJのお気に入りアルバムを紹介。
04年6月 "Se Te Pega"
artist: Ebblis May
s
(Egrem CD-0398)何とこんなの出てたんだ?!(僕が知らなかっただけかな?)
この春キューバで買い込んできた中で、一番の「メッケもの」。
El chico de ojos bellos. 現チャランガ・アバネラで一番の新顔ながら、
その甘いマスクで、既にバンドの顔として、重要なメンバーになったエブリス君、
2000年にソロアルバム出してました。
この人、Klimaxのフロントにいたのを、ダビさんに引き抜かれてチャランガ入り。
で、Klimaxには、自分の代わりに何と実の弟を残して来た、という経緯を持つのですが、
更にその前は俳優志望で、タレント活動などしていたらしい。
たぶんこれは、そのアイドル時代の作品でしょう。
このアルバム、何が素晴らしいって、とにかく「曲が遅い!」。
いぇい!
普通、サルサ系で新人若手歌手のアルバムは、
アップテンポの曲を並べて「元気さ」をアピールするものが圧倒的多数だと思うのだが、
これは、その中で目を見張るほどの「遅さ」。
R&B調、ボレロ調のバラード曲もありますが、
それ以外のSalsa〜Timba系曲に至るまで全て、とにかくテンポが遅い!
どれくらい遅いかって、
この中のサルサ系の曲は全て、入門者クラスで使えるくらい。
で、いいんだなこれが!
どれも、このテンポにして古くさくならず、おとなし過ぎず、
遅いながらもちゃんと、「新しいTimba世代の音」になってます。
かっこいいよ。うん。
再生ボタンを押して10秒でわかる歌の下手さながら、
(後のチャランガでの彼リード曲と比べても歴然。
人間努力すれば、進歩するものなのですね。)
どれもとても気持ちよく聴けます。
一応このアルバム、Ebblis May & bm expresso名義になっていて、
まさにexpressoでとってつけたような名前のバックバンドと、一緒に録音しています。
一体この編成でどれくらい活動していたのか、
果たして誰の知恵でこうなったのかは全くわかりませんが、
チャランガでの「若くて元気でハンサムなお兄ちゃん」的イメージで、
彼を記憶していた身からすると、かなり意外な曲調。
IssacのEl an~o que vieveの引用まで入っていたりと、
いきなりの「通好み」加減。
逆算すると、録音当時推定17〜8歳くらいのアイドルのアルバムなのに、
よくぞ、ここまでやってくれました!その勇気とセンスに乾杯!
何でそんなに騒いでいるかって、
個人的に大好きなんですよ、このテンポ帯。
イケイケの曲でガンガン踊るのもいいけど、
やっぱり、パートナーとゆっくり曲とリズムを楽しみながら、
チンタラ踊るのが一番楽しい。
サルサを演奏する場合もそうだけど、
実はこういう遅い曲が、逆に言うと一番ムズカシイ。
ホントのキューバ人はどうだかわかりませんが、
サルサのリズムとステップに慣れて来ると、
どんどん速い曲でも複雑なことが出来るようになって、
「こんな速い曲でも、僕(私)こんな事出来まっせ!」ってのに、
燃え始める時期ってあると思うんです。
でも、それだけだと、こういう遅いテンポって、
ただ単に「簡単」ってだけで、逆にかっこよくしづらい。
ただ「1,2,3…」ってリズムをきちんと刻めます、ってだけでは、
これくらい遅くなると、間が持たないというか。
「速いとついていけない」ってレベルを一度通り越してから、
あらためて、こういう遅い曲で、
とりたてて複雑なテクニックにも走ることなく、シンプルに楽しめる人、って、
実は結構少ないのでは?
リズムに動きを合わせられます、だけではなく、
もっと体の深いところでリズムを感じて、
余裕を持って音楽を楽しめる感性がないと難しい、というか。
何かスポーツ的なチャレンジ精神だけでは、
たぶん退屈に感じてしまう曲調なのだと思います。
そういう意味で、こういうアルバムがもっと広まって、
こういう曲調も楽しく踊れる人が増えてくれればいいなぁ、
と思ったりもして。
六本木などでは、待っていてもたぶん一生かかることはないと思うけど、
僕がDJやるときは、迷わずガンガンかけていきたい一枚。

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